家の名義変更を親から子へ|相続・生前贈与の手順と費用をわかりやすく解説
親の家の名義を子どもに変えたい——きっかけは「親が亡くなった」「親が高齢になってきた」「実家を売る予定がある」など様々ですが、方法は大きく相続による名義変更と生前贈与による名義変更の2つに分かれます。どちらを選ぶかで、かかる税金が大きく変わります。
この記事では、それぞれの手順・費用・注意点を整理します。
結論:多くのケースでは「相続」の方が税負担は軽い
先に結論からお伝えすると、単に名義を移すことが目的なら、生前贈与より相続の方が税負担は軽くなるケースが大半です。理由は次の表のとおり、名義変更そのものにかかる税率が違うためです。
| 項目 | 相続 | 生前贈与 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 固定資産税評価額の0.4% | 固定資産税評価額の2% |
| 不動産取得税 | 非課税 | 原則課税(3〜4%、軽減あり) |
| 贈与税/相続税 | 相続税(基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人数) | 贈与税(暦年110万円超に課税) |
たとえば固定資産税評価額2,000万円の実家なら、登録免許税だけでも相続は8万円、贈与は40万円。さらに贈与には不動産取得税と贈与税が加わります。
ただし、これはあくまで一般論です。認知症対策として早めに名義を移したい、値上がりが見込まれる、相続時精算課税制度を使うなど、生前贈与が合理的なケースもあります。税額の試算は税理士への確認をおすすめします。
相続で名義変更する手順(相続登記)
親が亡くなった後の名義変更は「相続登記」と呼ばれ、次の流れで進めます。
1. 遺言書の有無を確認する
公正証書遺言は最寄りの公証役場で検索できます。自筆の遺言書が自宅で見つかった場合、家庭裁判所の「検認」が必要です(法務局保管制度を使っていた場合は不要)。
2. 相続人を確定する(戸籍収集)
亡くなった親の出生から死亡までの連続した戸籍と、相続人全員の現在戸籍を集めます。2024年からは「広域交付制度」により、本籍地が遠方でも最寄りの市区町村窓口でまとめて取得できるようになり、負担が大きく減りました。
3. 遺産分割協議を行う
遺言書がない場合、相続人全員で「家を誰が相続するか」を話し合い、遺産分割協議書を作成して全員が実印を押します。ここが揉めやすいポイントで、安易に共有名義にすると後々の売却や活用が困難になります(詳しくは共有名義の記事で解説します)。
4. 法務局に登記申請する
主な必要書類は以下のとおりです。
- 登記申請書
- 被相続人の出生〜死亡の戸籍一式・住民票の除票
- 相続人全員の戸籍謄本・取得者の住民票
- 遺産分割協議書+相続人全員の印鑑証明書
- 固定資産評価証明書(または課税明細書)
自分で申請することも可能ですが、戸籍の読み解きや書類の不備で数回法務局に通うことになる方も多く、司法書士に依頼した場合の報酬相場は7〜15万円程度です。
【重要】相続登記は2024年から義務化されています
2024年4月1日から相続登記は義務になりました。不動産を相続したと知った日から3年以内に登記をしないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になります。施行日より前に相続した不動産も対象です。
「実家の名義が亡くなった父のまま」「祖父の代から変えていない」という方は、放置するほど相続人が増えて手続きが複雑になるため、早めの着手をおすすめします。
生前贈与で名義変更する場合の注意点
生前に名義を移す場合は、贈与税の課税方式を選びます。
- 暦年課税: 年110万円まで非課税。ただし2024年以降の贈与は、相続開始前7年以内の分が相続財産に加算されるルールに段階的に移行しています。
- 相続時精算課税: 累計2,500万円まで贈与時は非課税(相続時に精算)。2024年からは別枠で年110万円の基礎控除が新設され、使い勝手が向上しました。
不動産の贈与は金額が大きく、方式の選択を誤ると数百万円単位で税額が変わることがあります。実行前に必ず税理士に試算してもらってください。
名義変更後に「売る・貸す」を考えているなら
名義変更はゴールではなく、実家をどうするかのスタートです。売却するなら相続から3年10ヶ月以内の売却で使える「取得費加算の特例」や、空き家なら「3,000万円特別控除」など、タイミングで税額が変わる制度があります。
Bushizo相続相談室では、名義変更前の段階から、司法書士・税理士と連携して「登記→売却・活用」までワンストップでご相談いただけます。「まだ名義が親のまま」という状態からで大丈夫です。相談は無料ですので、まずは現状をお聞かせください。
無料相談はこちら → お問い合わせフォーム / 050-5527-6414
よくある質問
Q. 名義変更をしないまま実家を売ることはできますか? A. できません。売却には亡くなった方から相続人への名義変更(相続登記)が必須です。ただし、売却活動の準備や査定は名義変更と並行して進められます。
Q. 兄弟の誰かが協力してくれない場合は? A. 遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。話がまとまらない場合は家庭裁判所の遺産分割調停という手段があります。当相談室でも、状況の整理からお手伝いできます。
Q. 費用はトータルでいくらかかりますか? A. 相続登記の場合、登録免許税(評価額の0.4%)+書類取得費数千円+司法書士報酬7〜15万円程度が目安です。評価額2,000万円の家なら合計15〜25万円前後が一般的です。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務判断は税理士等の専門家にご確認ください。