名義変更・相続登記

車の名義が死亡のままで廃車できる?手続きと注意点を解説

Bushizo相続相談室(宅地建物取引士)
車の名義が死亡のままで廃車できる?手続きと注意点を解説

「名義が亡くなった人のまま、廃車できる?」そのお悩み、よくあります

親が亡くなり、ふと気づくと車庫に古い車が残っている——。
すぐに乗るわけでもないし、売るにも手間がかかる。「とりあえず廃車にしたいけど、名義を変えないといけないの?」と迷っている方は少なくありません。

結論からお伝えします。

故人名義の車は、相続人への名義変更を経ることなく、直接「廃車(抹消登録)」に進むことが可能です。ただし、廃車の種類によって必要書類が異なり、相続関係の証明は必ず求められます。

この記事では、故人名義の車の廃車手続きをステップごとに整理し、「名義変更→廃車」と「直接廃車」のどちらが適切かを判断するポイントも解説します。


廃車には2種類ある|「一時抹消」と「永久抹消」の違い

まず前提として、一口に「廃車」といっても手続きが2種類あります。目的に合わせて選択する必要があります。

種類内容車の状態自動車税
一時抹消登録一時的に公道を走れなくする登録抹消車は手元に残る翌月以降の課税停止
永久抹消登録(解体)車を解体・廃棄して完全に登録を抹消車はなくなる即時課税停止

故人の車を「もう使わない・残す必要もない」場合は、永久抹消登録(解体) が一般的です。廃車業者やディーラーに依頼することが多く、手続きを代行してもらえるケースもあります。


故人名義のまま廃車できる?必要書類を確認しよう

結論:名義変更なしで廃車は可能

国土交通省の定めるルール上、故人名義の車は「相続人の代表者」が廃車手続きを行うことができます。つまり、わざわざ相続人名義に変更してから廃車する必要はありません

ただし、「その車の相続人である」ことを証明する書類が必要です。

永久抹消登録(解体廃車)に必要な主な書類

必要書類取得先
自動車検査証(車検証)車内・書類入れ
亡くなった方の戸籍謄本(出生〜死亡まで)本籍地の市区町村役所
相続人全員の戸籍謄本各本籍地の市区町村役所
相続人の印鑑証明書住所地の市区町村役所
遺産分割協議書(相続人が複数の場合)相続人間で作成
解体業者の「使用済自動車引取証明書」解体業者から発行
移動報告番号・解体報告記録日(リサイクル券)解体業者から通知

ポイント: 相続人が1人だけの場合は遺産分割協議書が不要なケースもありますが、戸籍による相続関係の証明は必須です。書類の過不足は陸運局(運輸支局)ごとに確認を。


「名義変更してから廃車」vs「直接廃車」どちらを選ぶ?

どちらの方法が適切かは、状況によって異なります。以下の判断基準を参考にしてください。

状況推奨する方法
誰も乗る予定がなく、すぐ手放したい直接廃車(永久抹消)
売却して現金化したい名義変更→売却 が必要
しばらく乗ってから廃車予定名義変更→一時または永久抹消
相続放棄を検討している廃車・名義変更ともに慎重に判断
車に残債(ローン)がある金融機関への確認が先決

相続放棄を検討している場合は要注意

相続放棄を検討している方は特に注意が必要です。車を勝手に廃車・売却・使用すると「単純承認(相続を承認したとみなされる行為)」と判断される可能性があります。

相続放棄の申述は、相続の開始を知った日から原則3ヶ月以内に家庭裁判所へ行う必要があります。この期間内に車をどう扱うかは、放棄するかどうかの判断と切り離せません。専門家(司法書士・弁護士)へ早めに相談することを強くおすすめします。


廃車にかかる費用の目安

廃車にかかる費用は、車種・車の状態・業者によって大きく異なります。あくまでも目安として参考にしてください。

項目費用の目安
解体費用(廃車業者)無料〜3万円程度(車種・状態による)
陸運局への申請費用数百円程度(登録手数料)
戸籍謄本等の取得1通450〜750円程度
司法書士等への代行費用3万〜8万円程度(依頼内容による)
自動車リサイクル料金車購入時に支払済(リサイクル券で確認)

なお、廃車手続きが完了すると、自動車税(種別割)の還付を受けられる場合があります(永久抹消の場合、月割で計算)。還付先の口座は相続人名義のものを指定する必要があります。


手続きの流れ|ステップで整理

永久抹消登録(解体廃車)の一般的な流れ

  1. 車の状況確認
    車検証・リサイクル券の場所を確認。ローン残債がないかも確認する。

  2. 相続人・相続関係の確認
    戸籍を集め、法定相続人を確定する。相続放棄の検討がある場合は先にこちらを。

  3. 遺産分割協議(相続人が複数の場合)
    誰が代表して廃車手続きを進めるかを決める。

  4. 解体業者へ依頼
    解体業者が車を引き取り、「使用済自動車引取証明書」と移動報告番号・解体報告記録日を発行してくれる。

  5. 運輸支局(陸運局)へ申請
    必要書類を揃えて永久抹消登録を申請する。業者が代行してくれるケースも多い。

  6. 自動車税の還付手続き(必要に応じて)
    都道府県の税事務所に自動車税の還付申請を行う。


Bushizo相続相談室からひと言

「車の廃車だけなら自分でできそう」と思っていたら、戸籍が複雑で書類集めに時間がかかった——というご相談を品川・大田・港エリアのお客様からよくいただきます。

特に、不動産の相続登記と車の名義問題が同時に発生しているケースでは、全体の相続整理の流れを先に設計したほうがスムーズです。2024年4月からは不動産の相続登記が義務化されており、放置すると過料の対象になる可能性もあります。

Bushizo相続相談室では、宅地建物取引士が窓口となり、司法書士・税理士・弁護士と連携してワンストップで対応しています。車の廃車だけのご相談でも、もちろん歓迎です。売却を急かすことなく、状況に合った選択肢をご提案します。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 車の名義を変えないまま、何年も放置していても大丈夫ですか?

A. 法律上、車の名義変更に明確な期限は定められていません。しかし、自動車税は名義人(故人)宛に届き続け、任意保険も失効している可能性があります。放置すれば税の滞納や事故時の補償問題につながるため、早期の対処をおすすめします。


Q2. 相続人が複数いる場合、全員の同意がないと廃車できませんか?

A. 一般的には、遺産分割協議書に相続人全員の署名・実印が必要です。ただし、全員が合意している場合は代表者が手続きを進められます。相続人間で意見が合わない場合は、弁護士へのご相談をお勧めします。


Q3. 車にまだローン残債がある場合はどうなりますか?

A. ローン付きの車は、実質的にはローン会社(信販会社や銀行)が所有権を持っているケースが多いです。廃車・名義変更の前に必ずローン会社に連絡し、残債の扱いを確認してください。無断で廃車すると契約違反になる場合があります。


本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法務・税務判断の根拠となるものではありません。具体的なご状況については、司法書士・弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。

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