遺言・生前対策

遺言に弁護士は必要?費用・役割・依頼すべきケースを解説

Bushizo相続相談室(宅地建物取引士)
遺言に弁護士は必要?費用・役割・依頼すべきケースを解説

「遺言に弁護士って必要?」その疑問、まずは結論から

「遺言書を作りたいけれど、弁護士に頼まないといけないの?」「費用が高そうで踏み出せない」——そんな不安を抱えている方は少なくありません。

結論から言うと、遺言書の作成に弁護士への依頼は必須ではありません。 ただし、相続人間に争いが予想される場合遺言内容が複雑な場合には、弁護士のサポートが大きな安心につながります。

この記事では、遺言書と弁護士の関係を基礎から整理し、「自分のケースで弁護士に頼むべきかどうか」を判断できる情報をお届けします。


そもそも遺言書に関して弁護士ができること

弁護士は法律の専門家として、遺言書にまつわる幅広い場面で力を発揮します。主な役割を整理すると次のとおりです。

  • 遺言内容のアドバイス:法定相続分や遺留分を踏まえ、トラブルになりにくい内容を提案
  • 遺言書の起案・文案作成:法的に有効な表現・書式でドラフトを作成
  • 公正証書遺言の手続き同行:公証人との打ち合わせや証人の手配を代行
  • 遺言執行者への就任:遺言者の死後、遺言内容を実現するための手続きを代行
  • 遺言の有効性に関する紛争対応:「無効だ」と主張する相続人との交渉・訴訟

特に最後の遺言執行者の役割は重要です。不動産の名義変更や預貯金の解約など、相続手続きを円滑に進めるうえで、プロが執行者を務めることで遺族の負担を大きく減らせます。


弁護士・司法書士・行政書士、誰に頼む?役割の違い

遺言書の作成には、弁護士以外にも司法書士・行政書士が関与できます。それぞれの違いを確認しておきましょう。

専門家遺言書の文案作成公証役場への手続き紛争・訴訟対応登記手続き
弁護士△※
司法書士△(示談交渉程度)
行政書士

※弁護士は登記申請自体も可能ですが、登記の専門実務は司法書士が得意とする領域です。

ポイントは「将来もめそうかどうか」で判断すること。

  • 相続人全員が円満で財産もシンプルなケース → 行政書士・司法書士でも十分
  • 不動産が多く、相続後の登記まで一括対応したいケース → 司法書士が連携した窓口が便利
  • 相続人間に感情的対立や法的紛争の火種があるケース → 弁護士に相談するのが安心

弁護士に遺言を依頼するときの費用相場

弁護士費用は事務所によって異なりますが、一般的な相場感を把握しておきましょう。

サービス内容費用の目安(参考)
遺言書作成のコンサルティング・文案作成10万〜30万円程度
公正証書遺言の作成サポート(公証人費用別)15万〜40万円程度
遺言執行者への就任・執行業務遺産総額の1〜3%程度(または固定報酬)
遺言の有効性をめぐる訴訟対応着手金+成功報酬(ケースにより大きく変動)

※上記はあくまでも目安です。財産の規模・複雑さ・事務所方針によって異なるため、必ず事前見積もりを取ることをおすすめします。

なお、公正証書遺言の場合は公証人手数料も別途かかります(財産額に応じて数万〜十数万円程度)。自筆証書遺言であれば作成コスト自体は抑えられますが、法務局での保管制度(2020年〜)を活用する場合は手数料3,900円がかかります。


弁護士に相談すべき「遺言のケース」具体例

「費用をかけてでも弁護士に頼んだほうがいい」状況を、具体的なケースで整理します。

ケース1:相続人の間に感情的な対立がある

前妻の子と現在の家族が相続人に混在している、疎遠になった兄弟がいる——こうした状況では、遺言書の内容が「争族」の火種になることがあります。遺留分を踏まえた設計や、紛争を見据えた記載の工夫は、弁護士の専門領域です。

ケース2:遺留分を侵害する内容にしたい

「特定の子には財産を渡したくない」「介護をしてくれた長女に多く遺したい」といった意向がある場合、遺留分(相続人が法律上最低限もらえる権利)との兼ね合いを慎重に検討する必要があります。一般的には弁護士に相談することでリスクを最小化できます。

ケース3:事業承継を遺言に絡めたい

自社株式の承継や、個人事業の後継者指定が絡む場合は、税務・登記・法律が複雑に絡み合います。弁護士が主導しつつ、税理士・司法書士と連携したチーム対応が理想的です。

ケース4:相続発生後に遺言の有効性が争われた

遺言書が「認知症の状態で書かれた」「強迫・詐欺があった」などと主張されるケースでは、弁護士以外が対応することはできません。生前にしっかりした遺言書を作ることが最大の予防策ですが、万が一のときは早期に弁護士へ。


2024年以降の制度変更と遺言の関係

遺言・相続をめぐる法制度は近年大きく動いています。遺言書を作成・見直すうえで押さえておきたいポイントを整理します。

■ 相続登記の義務化(2024年4月〜) 不動産を相続で取得した場合、取得を知った日から3年以内に登記申請することが義務づけられました。遺言書で不動産を特定の人に遺贈・相続させる場合、執行者が速やかに動けるよう、遺言書の内容と執行体制を整えておくことが重要です。

■ 生前贈与加算の期間延長(2024年〜) 相続税の計算において、相続前の贈与を加算する期間が3年から7年に段階的に延長されています(2031年に完全移行)。遺言と生前贈与を組み合わせた対策は、税理士も交えた設計が必要です。

■ 配偶者居住権の活用 2020年に創設された配偶者居住権は、遺言でも設定できます。自宅に住み続けたい配偶者を守るための有力な手段ですが、設計を誤ると他の相続人とのトラブルにもなりえます。


相談先に迷ったら、まずワンストップ窓口へ

「弁護士に相談すべきか、司法書士でいいのか」——この判断自体が難しいと感じる方も多いはずです。

Bushizo相続相談室(品川広域センター)では、宅地建物取引士が相続不動産の観点から状況を整理し、弁護士・司法書士・税理士と連携したワンストップ対応でご相談をお受けしています。品川・大田・港エリアを中心に、全国の相続不動産案件にも対応可能です。

「まずは話を聞いてほしい」という段階からお気軽にどうぞ。売却を急かすことはありません。

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よくある質問(Q&A)

Q1. 自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらが法的に強い?

A. どちらも法的効力は同じです。ただし、自筆証書遺言は書き方を誤ると無効になるリスクがあり、公正証書遺言は公証人が関与するため形式面での安全性が高くなります。紛争リスクが高いケースでは公正証書遺言を選択するのが一般的です。

Q2. 遺言書があれば、必ず遺言の内容どおりに相続できる?

A. 原則としてそうですが、遺留分の制約があります。たとえば、兄弟以外の法定相続人(配偶者・子・直系尊属)には、一定の財産を請求できる「遺留分侵害額請求権」があります。遺言書の設計段階で遺留分を考慮しておくことが重要です。

Q3. 遺言書を作成したあと、内容を変えることはできる?

A. できます。遺言書はいつでも全部または一部を撤回・書き直しすることが可能です。日付の新しい遺言が優先されるため、状況の変化(財産の増減・家族構成の変化など)に応じて定期的に見直すことをおすすめします。


本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律判断・税務判断の根拠となるものではありません。具体的なご状況については、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。

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