共有名義から単独名義に変更する費用は?| 方法別に徹底解説
共有名義を解消したい、でも費用が心配…そのお悩み、まず整理しましょう
「親が亡くなって、実家が兄弟の共有名義になってしまった」「離婚することになり、夫婦共有の自宅をどちらか一方の名義にしたい」——そんなご相談は、品川・大田・港エリアでも非常に多く寄せられます。
共有名義の不動産は、売却や賃貸に全員の同意が必要で、活用の自由度が大きく制限されます。放置すると次の相続でさらに共有者が増え、問題はより深刻になります。
結論を先にお伝えすると、共有名義から単独名義に変更する主な方法は「贈与」「売買(持分譲渡)」「遺産分割協議」の3つで、それぞれに登記費用・税金が発生します。総費用の目安は数十万円〜不動産価格の数%程度ですが、方法によって大きく異なります。
この記事では、方法別の費用と手続きの流れを比較しながら、あなたのケースに合った選択肢を探すためのヒントを解説します。
共有名義から単独名義に変更する3つの方法
① 贈与による持分移転
共有者の一方が、自分の持分をもう一方に無償で譲渡する方法です。親子間・兄弟間で費用負担なく名義をまとめたいケースでよく使われます。
ただし、受け取った側(受贈者)に贈与税が発生するのが注意点。不動産の贈与税は、土地・建物の「路線価(相続税評価額)」をもとに計算されます。一般的な贈与税の基礎控除は年間110万円で、これを超える部分に税率がかかります(最高55%)。
配偶者への贈与については、婚姻期間20年以上の夫婦であれば「配偶者控除(おしどり贈与)」として最大2,000万円まで非課税になる特例があります。
② 売買(持分譲渡)による移転
共有者の一方が、自分の持分を相手に有償で売却する方法です。「実質的にお金を動かしたくない」という場合でも、極端に低い価格での売買は贈与とみなされる場合があるため注意が必要です。
売却する側には譲渡所得税(短期保有5年以内:39.63%、長期保有5年超:20.315%)が課税される可能性があります。取得費が明確であれば取得費控除が使えます。
③ 遺産分割協議による単独取得
相続が発生した際に、遺産分割協議で不動産を1人が単独で取得する方法です。2024年4月から相続登記が義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記を完了させなければ過料の対象になります。
協議が整わない場合は、家庭裁判所への遺産分割調停・審判に進むケースもあります。
方法別の費用比較(目安)
方法によって、かかるコストの種類と金額は大きく異なります。以下の表は一般的な目安です(不動産評価額・持分割合・個々の事情により変動します)。
| 方法 | 登録免許税(登記費用) | 主な税負担 | 司法書士報酬の目安 | その他 |
|---|---|---|---|---|
| 贈与 | 固定資産税評価額 × 2% | 受贈者に贈与税(最高55%) | 5〜10万円程度 | 不動産取得税(評価額 × 3%)※軽減あり |
| 売買 | 固定資産税評価額 × 2% | 売主に譲渡所得税(20〜40%程度) | 5〜10万円程度 | 不動産取得税(評価額 × 3%)※軽減あり |
| 遺産分割(相続) | 固定資産税評価額 × 0.4% | 相続税(評価額による) | 5〜10万円程度 | 相続税申告が必要な場合は税理士費用 |
ポイント: 相続による名義変更は登録免許税が贈与・売買の1/5と格段に安くなります。相続が発生している場合は、遺産分割による単独取得が費用面で有利なケースが多いです。
持分移転登記の手続きの流れ
STEP 1:方法の選択と関係者の合意
まず「誰が単独名義を取得するか」「どの方法を使うか」を共有者全員で合意します。この段階で税負担のシミュレーションをしておくことが重要です。
STEP 2:必要書類の収集
方法によって異なりますが、一般的に以下の書類が必要です。
- 登記簿謄本(登記事項証明書)
- 固定資産税評価証明書
- 印鑑証明書・住民票(共有者全員分)
- 贈与契約書または売買契約書(方法に応じて)
- 相続の場合:戸籍謄本一式・遺産分割協議書
STEP 3:登記申請(司法書士に依頼)
持分移転登記は法務局への申請が必要です。専門知識が要るため、司法書士に依頼するのが一般的です。依頼費用は報酬の目安として5〜10万円程度ですが、不動産の評価額や案件の複雑さによって異なります。
STEP 4:税務申告(必要な場合)
贈与税・相続税・譲渡所得税が発生する場合は、翌年の確定申告または相続税申告が必要です。税理士への依頼費用も見込んでおきましょう。
見落としやすい「隠れコスト」に注意
費用を試算するとき、登録免許税や司法書士報酬だけを見て「意外と安い」と思う方が多いのですが、税金負担が大きなウェイトを占めることを忘れないでください。
特に贈与の場合、数千万円規模の不動産では贈与税が数百万円に上るケースも珍しくありません。一方で、相続時精算課税制度を利用すれば2,500万円まで贈与税を非課税(相続時に精算)にできますが、2024年以降の生前贈与加算ルール改正(暦年贈与の加算期間が3年から最長7年に延長)の影響も考慮する必要があります。
また、不動産取得税は取得後しばらくして市区町村から通知が届くため、支払い準備を忘れやすいポイントです。
どの方法が自分のケースに合うか迷ったら
「相続で共有になったのか」「生前に解消したいのか」「費用をできるだけ抑えたいのか」——状況によって最適な方法は変わります。焦って動くより、まず全体像を整理することが大切です。
Bushizo相続相談室(品川広域センター)では、宅地建物取引士が窓口となり、司法書士・税理士・弁護士と連携してワンストップでご相談をお受けしています。 「売却ありき」ではなく、お客様の事情に合った最善の方法を一緒に考えます。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 共有名義から単独名義への変更は、自分で手続きできますか?
登記申請自体は本人申請も可能ですが、書類の作成・収集・法務局との対応など手続きは複雑です。また、方法の選択を誤ると予期せぬ税負担が発生することもあるため、司法書士・税理士に相談したうえで進めることをおすすめします。
Q2. 共有者の一人が行方不明・連絡が取れない場合でも手続きできますか?
通常の持分移転は共有者全員の合意が必要です。連絡が取れない場合は、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てる方法があります。時間と費用がかかりますが、手続きは不可能ではありません。弁護士・司法書士にご相談ください。
Q3. 相続登記の義務化とは何ですか?共有名義の不動産にも関係しますか?
2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続で不動産を取得した相続人は、相続を知った日から3年以内に登記申請をしなければなりません。過去に発生した相続も対象で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科される可能性があります。共有名義になっている不動産も対象ですので、手続きが済んでいない方はお早めに確認されることをおすすめします。
免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的・税務的アドバイスを提供するものではありません。具体的なお手続きや判断については、司法書士・税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。