実家・空き家

実家の相続で後悔しない方法|住む・売る・貸す・放置の末路を比較

Bushizo相続相談室(宅地建物取引士)
実家の相続で後悔しない方法|住む・売る・貸す・放置の末路を比較

「実家をどうすればいいか分からない」——それが最も多い相談です

親が亡くなり、気づけば実家が誰も住まないまま数ヶ月が過ぎていた——。
そんな状況で「どうすればいいのか」と検索してたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えします。実家の相続は「放置が最もリスクが高く、早めに方針を決めるほど選択肢が広がります」。

実家(親の家)の相続には「住む」「売る」「貸す」「放置する」の大きく4つの選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、家族の状況や不動産の状態によって最善策は変わります。この記事では、各選択肢の現実的な末路を比較しながら、後悔しない相続の進め方を解説します。


まず押さえたい「実家の相続」の基本的な流れ

実家を相続する際、不動産に関して最低限やるべき手続きがあります。

① 相続人・遺産の確認(相続開始後なるべく早く)

まず「誰が相続人か」「遺言書はあるか」を確認します。戸籍を収集し、法定相続人を確定させましょう。

② 遺産分割協議(相続人全員で合意)

不動産は相続人全員の合意がなければ動かせません。兄弟間で意見が割れるケースも多く、早期の話し合いが重要です。

③ 相続登記(2024年4月から義務化)

2024年4月1日より、相続登記が義務化されました。 相続を知った日から3年以内に登記しなければ、10万円以下の過料の対象になります。過去に相続した未登記の不動産も対象です。「とりあえず後回し」はもはや許されません。

④ 相続税の申告(必要な場合のみ・10ヶ月以内)

相続財産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納税が必要です。


「住む・売る・貸す・放置」4つの選択肢を徹底比較

実家をどうするか、4つの選択肢の特徴を整理します。

選択肢主なメリット主なデメリット向いているケース
住む維持費が抑えられる・思い出を守れる通勤・生活環境の変化実家が職場・生活圏に近い
売るまとまった現金化・維持費ゼロ思い出の喪失・税負担の可能性活用予定がない・相続人が遠方
貸す収入を得ながら所有継続管理の手間・空室リスク将来戻る可能性がある
放置何もしなくていい(短期的)固定資産税・劣化・過料リスク(推奨できない)

「住む」を選ぶ場合

実家に引っ越して住む場合、固定資産税の「住宅用地特例」が継続され、税負担が抑えられます。また、小規模宅地等の特例(一定条件を満たせば土地の評価額を最大80%減額)が適用できるケースもあり、相続税対策として有効なことがあります。

ただし、品川・大田・港エリアのように都市部では、相続した実家が現在の生活圏から離れていることも多く、「住みたくても住めない」という声も少なくありません。

「売る」を選ぶ場合

空き家になった実家を売却する際、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」(いわゆる空き家特例) を活用することで、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる場合があります(要件あり・2027年末まで延長済み)。

売却益にかかる税率は、所有期間5年超の「長期譲渡所得」で約20%、5年以下の「短期譲渡所得」で約39%が目安です(復興特別所得税含む)。いずれも、被相続人の所有期間と相続人の所有期間を合算して計算します。

売却を急ぐ必要はありませんが、空き家期間が長くなるほど建物が劣化し、買い手がつきにくくなるリスクも考慮が必要です。

「貸す」を選ぶ場合

「将来自分が使うかもしれない」「手放したくない」という場合は、賃貸に出すことで固定費を家賃収入で補えます。ただし、入居者の退去や設備の修繕対応など、継続的な管理が必要です。管理会社に委託する場合、賃料の5〜10%程度が管理費の目安となることが多いです(契約内容により異なります)。

また、賃貸に出すと先述の「小規模宅地等の特例(貸付事業用)」の適用要件が変わる点にも注意が必要です。専門家への確認をおすすめします。

「放置」を選ぶ場合——最もリスクが高い選択

「相続人間で意見がまとまらない」「面倒で後回しにしている」——その結果が放置です。放置のリスクは年々大きくなっています。

  • 固定資産税は毎年発生し続ける
  • 建物の劣化・不法投棄・近隣への悪影響
  • 「特定空家」に指定されると住宅用地特例が外れ、固定資産税が最大6倍になる可能性
  • 相続登記未了なら過料の対象(2024年4月〜)
  • 相続人が増えるほど遺産分割協議が複雑化する

「いつか考えよう」が最も危険な選択です。


2024年以降の制度変更——見落としやすい2つのポイント

相続登記の義務化(2024年4月〜)

前述のとおり、相続を知った日から3年以内の登記が必要です。正当な理由なく期限を過ぎると10万円以下の過料になる可能性があります。

生前贈与の加算期間が7年に延長(2024年1月〜)

相続発生前の贈与財産を相続税の計算に加算する期間が、従来の3年から7年に延長されました(2024年1月1日以降の贈与から段階的に適用)。生前に実家を贈与する予定があった方は、この変更を踏まえた計画の見直しが必要です。


「売る」か「残す」か迷ったときに確認すべきチェックリスト

以下の項目を確認することで、方針が見えやすくなります。

  • 相続人全員が現在の居住地から実家まで遠い
  • 実家の維持・管理を担える人がいない
  • 築年数が古く、リフォームに多額の費用がかかりそう
  • 相続人の誰かが相続税の納税資金を必要としている
  • 実家に将来住む・戻る予定が具体的にない

3つ以上当てはまる場合は、売却を視野に入れた検討が現実的です。ただし、最終的な判断は不動産の市場価値や税負担のシミュレーションをしてから行うことをおすすめします。


相続した実家について、まず専門家に相談してみませんか?

実家の相続は「不動産・法律・税金」の三分野が絡み合う複雑な問題です。
Bushizo相続相談室(品川広域センター) では、宅地建物取引士が相続不動産の窓口となり、連携する司法書士・税理士・弁護士とともにワンストップで対応します。「売ってほしい」と急かすことはありません。まず現状を整理するところからご相談ください。

品川・大田・港エリアを中心に、全国の相続不動産のご相談に対応しています。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 実家の相続登記をしないと、どうなりますか?

A. 2024年4月の相続登記義務化により、相続を知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象となります。また、登記が未了のまま相続人が増えると権利関係がさらに複雑になり、将来の売却・活用が困難になります。早めの手続きをおすすめします。

Q2. 実家を売ると税金はいくらかかりますか?

A. 売却益(譲渡所得)に対して税金がかかります。所有期間5年超であれば長期譲渡所得として約20%(復興特別所得税含む)が目安ですが、空き家特例(最大3,000万円控除)や取得費加算の特例など、適用できる控除・特例によって大きく変わります。具体的な金額は税理士への確認をおすすめします。

Q3. 兄弟間で実家の処分について意見が割れています。どうすればいいですか?

A. 遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停(遺産分割調停)という手続きもあります。まずは弁護士や司法書士に状況を相談し、それぞれの希望を整理することが解決への第一歩です。Bushizo相続相談室でも連携専門家をご紹介できます。


本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務・不動産に関するアドバイスを提供するものではありません。具体的なご判断については、司法書士・税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。

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