手続き全般

遺産目録とは?作成方法・書き方・必要な場面をわかりやすく解説

Bushizo相続相談室(宅地建物取引士)
遺産目録とは?作成方法・書き方・必要な場面をわかりやすく解説

「遺産目録って何?自分で作れるの?」「相続の手続きで遺産目録が必要と言われたけど、何をどう書けばいいかわからない」——そんな疑問を抱えながら検索している方が多くいらっしゃいます。

突然の相続を前に、財産の全貌すら把握できていない状況で書類を整えようとするのは、誰にとっても大変なことです。

結論からお伝えすると、遺産目録とは「亡くなった方(被相続人)が残した財産と負債の一覧表」のことです。法律上の統一書式はなく、基本的には自分で作成できます。ただし、正確に作らないと後々のトラブルや手続きの手戻りにつながるため、正しい知識を持っておくことが重要です。

この記事では、遺産目録の基本から実際の書き方、作成が必要になる場面まで、順を追って解説します。


遺産目録とは|基本的な意味と役割

遺産目録とは、被相続人が亡くなった時点で保有していたすべての財産・負債をリスト化した一覧表です。いわば「相続財産の棚卸し表」と考えるとわかりやすいでしょう。

なぜ遺産目録が必要なのか

相続手続きを進めるにあたって、遺産目録には以下のような重要な役割があります。

  • 財産の全体像を相続人全員で共有できる
  • 遺産分割協議の土台となる
  • 相続税申告の際の財産一覧として活用できる
  • 後日「こんな財産があったはず」という争いを防ぐ

特に、不動産・預貯金・株式・生命保険・借入金など多岐にわたる財産がある場合、目録として整理しておかないと、漏れや認識のズレが生じやすくなります。品川・大田・港区といった都市部では不動産を複数保有しているケースも多く、そうした場合は丁寧な目録作成が不可欠です。


遺産目録が特に必要になる場面

遺産目録の作成が求められる代表的な場面を整理します。

① 遺産分割協議を行うとき

相続人が複数いる場合、全員が「何をどう分けるか」を話し合う遺産分割協議が必要です。この際、財産の一覧がないと協議が成立しません。遺産目録は協議の前提資料として機能します。

② 遺言書と一緒に作成・提出するとき

公正証書遺言を作成する際、公証人から遺産目録の提出を求められることがあります。また、自筆証書遺言に添付する財産目録は、2019年の法改正以降、パソコンで作成した書類や通帳のコピーなどでも認められるようになりました(ただし各ページへの署名・押印が必要)。

③ 相続税申告を行うとき

相続税の申告には、財産の種類ごとに評価額を算出し、税務署に提出する必要があります。申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内。遺産目録はその土台となる資料です。

④ 限定承認・相続放棄を検討するとき

借金が多い場合など、相続を限定的に受け入れたり放棄したりする場面でも、財産・負債の全体像を把握するために遺産目録の作成が役立ちます。なお、相続放棄の申述期限は相続開始を知った時から原則3か月以内です。


遺産目録に記載すべき財産の種類

遺産目録には「プラスの財産」と「マイナスの財産(負債)」の両方を記載します。

区分主な内容
不動産土地・建物(所在地・地番・地目・面積など登記簿の情報)
預貯金銀行名・支店名・口座種別・口座番号・残高
有価証券株式・投資信託・国債など(銘柄・数量・評価額)
生命保険保険会社・証券番号・受取人・死亡保険金額
動産自動車・貴金属・美術品など(種類・評価額)
その他の権利貸付金・著作権・特許権など
負債住宅ローン・カードローン・連帯保証債務など
みなし相続財産死亡退職金・生命保険金(受取人が相続人の場合)

注意点:生前贈与加算のルール変更(2024年〜)

2024年1月以降の相続については、被相続人から相続人への生前贈与が相続開始前7年以内のものは相続税の課税対象に加算されるようになりました(従来は3年以内)。贈与の記録も含め、財産移転の履歴を整理しておくことが重要です。


遺産目録の書き方と作成手順

法定の書式はないため、自分で作成できます。ただし、後の手続きで使いやすい形式を意識することが大切です。

ステップ1:財産の調査・収集

まず被相続人の財産を調べます。主な調査先と入手書類は以下の通りです。

財産種別調査先入手書類
不動産法務局登記事項証明書、固定資産評価証明書
預貯金各金融機関残高証明書、通帳
有価証券証券会社取引残高報告書
生命保険保険会社保険証券、支払通知書
負債消費者金融・銀行等残高証明書、借用書

ステップ2:書式を準備する

Wordや表計算ソフトで一覧表を作成するのが一般的です。項目は「番号・財産の種類・詳細・評価額・備考」の列を設けると整理しやすくなります。

ステップ3:各財産を評価額とともに記載

不動産の場合、相続税評価額は路線価方式または倍率方式で算出します(専門家への依頼が一般的)。預貯金は死亡日時点の残高、有価証券は死亡日の終値等が基準となります。評価方法は財産の種類によって異なるため、不確かな場合は税理士へ確認することをお勧めします。

ステップ4:全相続人が内容を確認・合意する

作成した目録を相続人全員に共有し、漏れや誤りがないか確認してもらいます。遺産分割協議書に添付する場合は、目録にも全員の署名・押印を求めるケースがあります。


遺産目録作成で陥りやすい注意点

財産の「漏れ」が後々のトラブルを招く

特に注意が必要なのが、名義が被相続人以外になっている財産や、口座が複数の金融機関に分散している場合です。また、2024年4月に施行された相続登記の義務化により、不動産の登記を相続開始から3年以内に行わないと過料が科されるリスクがあります。不動産は必ず登記情報を確認しましょう。

負債の調査も必ず行う

財産だけでなく、借金・保証債務なども遺産目録に含めることが原則です。信用情報機関への照会や、郵便物の確認なども有効な手段です。

みなし相続財産を見落とさない

死亡保険金や死亡退職金は、受取人固有の権利であるため遺産分割の対象外ですが、相続税の計算上は「みなし相続財産」として課税対象になります(一定の非課税枠あり)。遺産目録に別途記載しておくと、税申告時に役立ちます。


遺産目録の作成に困ったら、専門家への相談が近道です

遺産目録は自分で作ることもできますが、財産の種類が多い・不動産がある・相続人間で意見が分かれそう——といった場合は、早めに専門家に相談することをお勧めします。

**Bushizo相続相談室(品川広域センター)**では、宅地建物取引士が窓口となり、司法書士・税理士・弁護士と連携したワンストップ対応で、遺産目録の整理から不動産の評価・売却相談まで幅広くサポートしています。「まず話を聞いてほしい」という段階からご相談いただけます。売却を急かすことは一切ありません。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 遺産目録は必ず作らなければいけませんか?

A. 法律上、遺産目録の作成が義務づけられているわけではありません。ただし、遺産分割協議を円滑に進めるため、また相続税申告の正確性を確保するために、実務上はほぼ必須の書類です。特に財産が多い場合や相続人が複数いる場合は、早めに作成することを強くお勧めします。

Q2. 遺産目録は自分で作れますか?それとも専門家に頼む必要がありますか?

A. 書式に決まりはないため、基本的には自分でも作成できます。ただし、不動産の評価額の算出・株式の評価方法・みなし相続財産の扱いなど、専門的な判断が必要な場面もあります。内容が複雑な場合は税理士や司法書士への相談が安心です。

Q3. 遺産目録を作ったあと、新たな財産が見つかった場合はどうすればいいですか?

A. 遺産分割協議が終わっている場合でも、後から財産が発見されれば、原則としてその財産について改めて協議・分割を行う必要があります。ケースによっては遺産分割協議書を作り直す場合もあります。漏れを防ぐためにも、調査の段階で金融機関・法務局・信用情報機関を幅広く確認することが重要です。


本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律判断・税務判断を行うものではありません。具体的な手続きや判断については、司法書士・税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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