手続き全般

相続調査の全手順を解説|どこから始めれば迷わない

Bushizo相続相談室(宅地建物取引士)
相続調査の全手順を解説|どこから始めれば迷わない

「何から調べれば…」と迷ったら、まずこの記事を読んでください

家族が亡くなった直後、悲しみの中でも次々と「やらなければならないこと」が押し寄せてきます。葬儀が終わった頃には「そういえば、相続の手続きってどこから手をつければいいの?」と途方に暮れる方も少なくありません。

結論からお伝えします。相続手続きの第一歩は「調査」です。 相続人は誰か、財産や負債はどれだけあるか——この2点を把握しないまま進めると、後から重大なミスに気づく恐れがあります。

この記事では、相続調査の全体像と具体的な手順を、専門用語をなるべく使わずに解説します。品川・大田・港エリアで多くの相談を受ける当相談室の経験も交えながら、「何を・どこで・どうやって調べるか」を順番にご案内します。


相続調査とは何か|2つの柱を押さえる

相続調査とは、①相続人の確定②相続財産(プラス・マイナス両方)の把握 を行うプロセスです。この2つがそろって初めて、遺産分割協議や相続放棄の判断、各種名義変更の手続きへ進めます。

調査の柱何を調べるか主な調査先
①相続人の確定法定相続人の範囲・人数市区町村役場(戸籍謄本)
②財産調査(プラス)不動産・預貯金・有価証券・車など法務局・金融機関・証券会社など
②財産調査(マイナス)ローン・借金・保証債務など信用情報機関・金融機関

どちらか一方でも欠けると、相続放棄の判断を誤ったり、遺産分割協議が無効になったりするリスクがあります。順番としては「①→②」の流れが基本です。


STEP1|相続人を確定する戸籍調査の進め方

出生から死亡まで「すべての戸籍」を集める

相続人を確定するには、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍が必要です。婚姻・転籍・法改正などで戸籍は何度も作り直されるため、複数の市区町村にわたることも珍しくありません。

必要な戸籍の例(被相続人が品川区内で生まれ、複数回転籍した場合)

  1. 死亡時の本籍地(例:品川区)の戸籍謄本・除籍謄本
  2. 転籍前の本籍地(例:大田区)の改製原戸籍
  3. さらに遡った本籍地(例:出身地の市町村)の改製原戸籍

取得先は各市区町村役場の窓口、または郵送請求が可能です。手数料は一般的に1通450〜750円程度ですが、自治体によって異なります。

法定相続人になれる人の範囲

民法の規定では、相続人になれる人の範囲は以下のとおりです。

順位法定相続人備考
常に相続人配偶者婚姻届を出している場合のみ
第1順位子(代襲相続含む)養子・認知した子も含む
第2順位直系尊属(父母・祖父母)子がいない場合
第3順位兄弟姉妹(代襲相続含む)子も直系尊属もいない場合

戸籍を遡ると「知らなかった異母兄弟がいた」というケースも実際にあります。戸籍調査を省略すると、後から相続人が増えて遺産分割協議のやり直しを迫られることがあるため、必ず完全に揃えてください。


STEP2|不動産の相続調査|登記と現況の両方を確認する

登記事項証明書と名寄帳で漏れをなくす

不動産の調査では、登記事項証明書(登記簿謄本)名寄帳(なよせちょう) の2種類を取得するのが基本です。

  • 登記事項証明書:法務局で取得。所有者・抵当権・地積などを確認できる
  • 名寄帳:市区町村役場で取得。その自治体内で被相続人が所有するすべての不動産を一覧で確認できる

ただし、名寄帳は市区町村をまたいだ不動産は記載されません。 複数の市区町村に不動産がある場合は、それぞれの役場で個別に取得する必要があります。

2024年4月から相続登記が義務化!期限に注意

2024年4月1日から、相続登記(不動産の名義変更)が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記申請をしなければならず、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科される場合があります。

また、この義務化は過去の相続にも遡って適用されます。「祖父の代から名義変更していない実家がある」という方は特に注意が必要です。


STEP3|預貯金・有価証券・負債の調査方法

預貯金・有価証券

通帳や証券口座の残高証明書を各金融機関・証券会社に請求します。通帳がなくても取引履歴から財産を探せる場合がありますが、金融機関ごとに手続きが異なります。

被相続人が利用していた金融機関に心当たりがない場合は、確定申告書の控えや郵便物、スマートフォンのアプリ履歴などが手がかりになることがあります。

負債(マイナスの財産)の調査

借金や保証債務は自分から調べに行かないと見つかりません。主な調査先は以下のとおりです。

調査対象調査先
カードローン・消費者金融信用情報機関(CIC・JICC・KSC)
住宅ローン金融機関への残高照会
税金の滞納市区町村・税務署
連帯保証債務契約書の確認・金融機関への照会

信用情報機関への開示請求は相続人でも行うことができます(必要書類は各機関に確認してください)。

相続放棄の判断は「3ヶ月」が目安

マイナスの財産がプラスの財産を上回る場合、相続放棄限定承認という選択肢があります。いずれも、相続の開始を知った日から原則3ヶ月以内に家庭裁判所への申述が必要です。調査に時間がかかりそうな場合は、早めに家庭裁判所に期間伸長の申立てを行うことも検討してください。


相続調査でよくある落とし穴と対処法

落とし穴① 生前贈与の申告漏れ

2024年1月以降、生前贈与の相続財産への加算期間が3年から段階的に7年へ延長されています(2031年1月以降の相続から完全施行)。調査の際は、過去の贈与税申告書も確認しておきましょう。

落とし穴② 名義預金の見落とし

被相続人が配偶者や子の名義で積み立てていた「名義預金」は、実態として被相続人の財産とみなされることがあります。税務調査で指摘されると追徴課税が発生するため、財産調査の段階で注意が必要です。

落とし穴③ 遠方・未登記不動産の見落とし

地方の田畑・山林・実家が未登記のまま放置されているケースは珍しくありません。固定資産税の納税通知書や権利証(登記済証)が手がかりになります。全国対応が可能な相談窓口を利用すると、遠方の不動産も含めて一括で調査を進めやすくなります。


調査が複雑だと感じたら、専門家への早めの相談を

相続調査は「何が必要かわかれば動ける」手続きですが、戸籍の収集・各金融機関への問い合わせ・不動産の現況確認など、実際には相当な時間と手間がかかります。品川・大田・港エリアでは、土地の分筆や底地・借地権が絡む不動産が多く、調査だけで数ヶ月かかることも珍しくありません。

Bushizo相続相談室(品川広域センター) では、宅地建物取引士が不動産調査を中心に、司法書士・税理士・弁護士と連携してワンストップで対応します。「まだ売るかどうか決めていない」「何から手をつければいいかわからない」という段階でも構いません。売却を急かすことなく、状況整理のご相談から承っています。

無料相談はこちら → お問い合わせフォーム / 050-5527-6414


よくある質問

Q1. 相続調査はいつまでに終わらせる必要がありますか?

A. 相続放棄・限定承認の期限が「相続を知った日から原則3ヶ月以内」、相続税の申告・納付期限が「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」です。相続登記は「相続を知った日から3年以内」が義務となっています。調査に時間がかかりそうな場合は、まず期限だけでも専門家に確認することをお勧めします。

Q2. 戸籍謄本の収集を自分でやるのは大変ですか?

A. 転籍が多い方や、出生地が遠方の場合は郵送請求のやり取りだけで数週間かかることもあります。司法書士や行政書士に「職務上請求」を利用して代行してもらう方法もあります。費用はケースによりますが、手間と時間を考えると依頼するメリットが大きい場合も多いです。

Q3. 不動産の相続調査と売却の相談を同時にお願いできますか?

A. はい、当相談室では調査から売却・活用の検討まで一括でご相談いただけます。「とりあえず財産の全体像を把握したい」「売却すべきか活用すべきか迷っている」という段階でも歓迎しています。調査結果をもとに選択肢を整理するお手伝いをいたします。


本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法務・税務判断を行うものではありません。具体的な手続きや判断については、司法書士・税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。

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