遺言・生前対策

遺言(いごん)とは?種類・効力・書き方を基礎から解説

Bushizo相続相談室(宅地建物取引士)
遺言(いごん)とは?種類・効力・書き方を基礎から解説

「遺言(いごん)」と「ゆいごん」──どちらが正しい読み方?

「遺言」の読み方について、インターネットで検索される方の多くが「いごん?ゆいごん?どっちが正しいの?」と疑問を持っています。結論からお伝えします。

法律用語として正式な読み方は「いごん」です。

民法をはじめとする法律条文・裁判所の書類・司法書士や弁護士といった法律専門家の世界では「いごん」が使われます。一方、日常会話や一般メディアでは「ゆいごん」と読まれることが多く、どちらも誤りではありません。この記事では正式名称にならい「いごん(遺言)」と表記しつつ、内容についてわかりやすく解説していきます。

「親にそろそろ遺言を書いてほしいが、何から頼めばいいかわからない」「自分自身が遺言を残したいが、どの方法が合っているか迷っている」——そんな方に向けて、基礎知識から実際の手続きまでをまとめました。


遺言(いごん)とは何か──法的な意味と効力

遺言とは、自分が亡くなった後の財産の扱いや家族への意思を、法律に従った形式で残す行為のことです。民法に定められた厳格なルールに沿って作成された遺言書には法的拘束力があり、相続人はその内容に従って手続きを進めなければなりません。

遺言で定められる主な内容は以下のとおりです。

  • 財産の分割方法(誰にどの財産を渡すか)
  • 相続人の廃除・指定
  • 遺贈(相続人以外の人物や団体への財産の贈与)
  • 認知(婚外子の法的な認知)
  • 祭祀主宰者の指定(お墓の管理者を指定する)
  • 遺言執行者の指定(遺言の内容を実行する人を決める)

ポイント: 遺言がない場合は「法定相続分」に従うか、相続人全員で「遺産分割協議」を行う必要があります。家族関係が複雑な場合や、特定の不動産を特定の人に残したい場合は、遺言書の有無が大きく結果を左右します。


遺言の3つの種類と特徴

民法が認める普通方式の遺言には、主に3種類あります。

① 自筆証書遺言

遺言者が全文・日付・氏名を自筆で書き、押印して作成するもの。費用がかからず手軽に作成できる反面、形式の不備で無効になるリスクがあります。

2020年からは財産目録のみパソコン作成・通帳コピー添付が認められるようになり、利便性が向上しました。また、**法務局の「自筆証書遺言書保管制度”」**を利用すると、紛失・改ざん防止・家庭裁判所の検認不要といったメリットが得られます(保管手数料は1件3,900円)。

② 公正証書遺言

公証人が作成に関与し、公証役場に原本が保管される遺言。証人2名が立会のうえで作成され、法的に最も信頼性が高い方式です。家庭裁判所の検認手続きが不要で、死後すぐに手続きを進められます。

費用は財産総額によって公証人手数料が変わります(後述の表を参照)。

③ 秘密証書遺言

内容を秘密にしたまま存在だけを公証役場で証明してもらう方式。実務ではほとんど利用されておらず、自筆証書か公正証書のどちらかが選ばれるのが一般的です。

3種類の比較表

項目自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言
作成費用ほぼ0円(保管制度利用で3,900円)数万円〜(財産額による)数万円程度
証人不要2名必要2名必要
家裁の検認原則必要(保管制度利用は不要)不要必要
紛失・改ざんリスクあり(保管制度で軽減)なしあり
内容の秘密保持公証人は知る
実務での利用頻度多い多い少ない

公正証書遺言の費用目安

公証人手数料は財産の価額に応じた法定手数料です(2026年7月現在)。

遺言で扱う財産の価額手数料の目安
100万円以下5,000円
100万円超〜200万円以下7,000円
200万円超〜500万円以下11,000円
500万円超〜1,000万円以下17,000円
1,000万円超〜3,000万円以下23,000円
3,000万円超〜5,000万円以下29,000円
5,000万円超〜1億円以下43,000円

※財産が複数ある場合は対象財産ごとに計算。証人への日当、謄本費用等が別途かかります。詳細は公証役場または専門家にご確認ください。


遺言と最新相続制度の関係──2024年以降の変化

相続登記の義務化(2024年4月〜)

2024年4月1日より、不動産を相続した場合は原則3年以内に相続登記を申請することが義務付けられました。正当な理由なく申請を怠ると10万円以下の過料が科される可能性があります。

遺言書で「誰に不動産を渡すか」が明確になっていると、遺産分割協議を経ずに相続登記を進められるため、手続きの負担が大幅に軽減されます。品川・大田・港エリアでも区内に不動産を複数持つ方からのご相談が増えており、遺言書の重要性が改めて注目されています。

生前贈与加算の7年ルール(2024年1月〜)

2024年1月以降、亡くなる前7年以内の贈与は相続財産に加算されることになりました(従来は3年)。これにより「毎年少しずつ生前贈与で節税」という戦略の効果が以前より限定的になっています。

遺言を活用した「遺贈」と生前贈与の組み合わせをどう設計するかは、税理士との連携が欠かせません。一般的には、遺言・生前贈与・生命保険を組み合わせた総合的な相続対策が有効とされていますが、個々の財産状況・家族構成によって最適解は異なります。

遺留分との関係

遺言で自由に財産を配分できる一方、**配偶者・子・直系尊属(親など)には「遺留分」**が認められています。法定相続分の原則2分の1(直系尊属のみの場合は3分の1)が最低限保障されており、遺言でこれを侵害された相続人は「遺留分侵害額請求」を行使できます。

遺言作成時には遺留分への配慮が必須です。


遺言を書くべきかの判断チェックリスト

以下に当てはまる方は、特に遺言書の準備を検討することをおすすめします。

  • ✅ 子がいない(配偶者と兄弟姉妹が相続人になるケース)
  • ✅ 再婚しており、前の婚姻による子がいる
  • ✅ 相続人に仲が良くない・連絡が取れない人がいる
  • ✅ 特定の不動産を特定の人に確実に渡したい
  • ✅ 内縁のパートナー・甥姪・お世話になった人に財産を遺したい
  • ✅ 事業承継者を明確にしたい
  • ✅ 認知症リスクが高まってきた(意思能力があるうちに作成する必要がある)

逆に、相続人が配偶者と子2名のみで財産が預金のみ、家族関係も良好——という場合は、必ずしも遺言が最優先とは限りません。ケースによっては遺産分割協議の方がスムーズなこともあります。


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Bushizo相続相談室(品川区天王洲)では、売却を急かさない姿勢で、遺言作成の相談から、相続後の不動産売却・活用まで一貫してサポートしています。品川・大田・港エリアを中心に、全国の相続不動産にも対応しています。

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よくある質問

Q1. 遺言(いごん)は何歳から作れますか?

A. 民法上、満15歳以上であれば遺言を作成できます。ただし、認知症などで意思能力が低下している状態での遺言は無効とされる可能性があります。元気なうちに、意思能力があることが明確な状態で作成することが重要です。

Q2. 遺言書は書き直せますか?

A. はい、何度でも書き直せます。遺言書が複数ある場合は、日付が新しいものが優先されます(抵触する部分のみ)。定期的に内容を見直す「遺言書の更新」を専門家はすすめています。

Q3. 遺言書がない場合、不動産の相続はどうなりますか?

A. 相続人全員で遺産分割協議を行い、合意内容をもとに相続登記を申請します。2024年4月からは相続登記が義務化されているため、遺言書がない場合でも相続を知った日から3年以内に登記を完了させる必要があります。協議がまとまらない場合は家庭裁判所の調停・審判に移行します。遺言書があれば協議なしで手続きを進められるケースが多く、手続きの負担が大きく変わります。


免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務・登記手続きに関するアドバイスを提供するものではありません。具体的なご判断は、司法書士・税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。

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