相続した土地を売る全手順|税金・測量・境界確定まで徹底解説
「相続した土地、どうすればいいんだろう」と悩んでいるあなたへ
親が亡くなり、気づいたら土地が手元に残った——そんなご状況でこの記事にたどり着いた方が多いと思います。「固定資産税を払い続けるのも辛いし、売ろうかと思うけど、何から手をつければいいかわからない」という声は、当相談室でも日々お聞きします。
結論からお伝えします。相続した土地を売るには、大きく5つのステップがあります。 そしてそのうち「相続登記」と「境界確定」は、後回しにすると売却がストップする最大の原因になります。この記事では、手順・税金・費用感を整理し、安心して動き出せるよう解説します。
ステップ1:まず「相続登記」を完了させる(2024年から義務化)
土地を売るためには、不動産の名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へ移転する「相続登記」が必要です。登記されていない土地は売買できません。
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。 相続を知った日から3年以内に登記を申請しなければ、10万円以下の過料が科される可能性があります。過去に相続した土地も対象になるため、まだ手続きしていない方は早めに動くことをお勧めします。
相続登記は司法書士に依頼するのが一般的です。費用の目安は以下のとおりです。
| 費用の種類 | 目安 |
|---|---|
| 登録免許税(国への税) | 固定資産税評価額 × 0.4% |
| 司法書士報酬 | 5万〜15万円程度(物件数・複雑さによる) |
| 戸籍収集等の実費 | 1万〜3万円程度 |
相続登記には戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成など、書類準備に時間がかかります。売却を急ぐ場合も、まずここから動き始めることが近道です。
ステップ2:境界確定と測量——ここを甘く見ると売却が止まる
相続登記が完了したら、次に重要なのが境界確定です。土地の売買では、隣地との境界が明確になっていることが求められます。境界が不明確なまま売りに出すと、買い手がつかなかったり、取引直前にトラブルが発覚したりします。
境界確定が必要な理由
- 売買契約書に「実測面積」を記載するため
- 隣地所有者とのトラブルを防ぐため
- 金融機関の担保評価に必要なケースがあるため
特に城南エリア(品川・大田・港区周辺)は昭和中期の住宅地が多く、境界標がなくなっていたり、隣地との筆界が曖昧なままの土地が相当数あります。相続前から何十年も放置されていた土地ほど、確認が必要です。
測量の種類と費用目安
| 測量の種類 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 現況測量 | 現状の形状・面積を把握するだけ | 15万〜30万円程度 |
| 確定測量 | 隣地所有者立会いのもと境界を確定 | 40万〜80万円程度 |
| 官民境界確定を含む場合 | 道路(官地)との境界も含む | 60万〜100万円超になることも |
費用は土地の形状・隣地の数・官地の有無などで大きく変わります。測量士への依頼は不動産会社経由で紹介してもらうとスムーズです。
ポイント: 売却に際して確定測量の費用は売主負担が一般的ですが、費用を売却価格に転嫁できることも多いです。まず不動産会社に相談してみましょう。
ステップ3:不動産会社への査定・媒介契約
境界確定の目処が立ったら、不動産会社へ査定を依頼します。土地の場合、査定方法は主に「取引事例比較法」(近隣の類似事例との比較)です。
媒介契約の種類
| 契約種別 | 他社への同時依頼 | 自己発見取引 | レインズ登録 |
|---|---|---|---|
| 専属専任媒介 | 不可 | 不可 | 5営業日以内 |
| 専任媒介 | 不可 | 可 | 7営業日以内 |
| 一般媒介 | 可 | 可 | 任意 |
売却を急ぐなら専任・専属専任媒介でレインズに早期登録してもらう方法が有効です。一方、複数社に競争させたい場合は一般媒介も選択肢です。売却の事情や土地の特性によって選び方が変わりますので、担当者とよく話し合いましょう。
ステップ4:売却で生じる税金を把握しておく
相続した土地を売ると、譲渡所得税が発生することがあります。把握せずに売却すると、手取りが想定より大幅に減ることがあるため、事前確認が必須です。
譲渡所得の計算式
譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)
- 取得費:相続した土地の場合、被相続人が購入した当時の金額が引き継がれます。古い土地で購入金額が不明な場合は「売却価格の5%」を取得費とみなす概算取得費が使えます
- 譲渡費用:仲介手数料・測量費・解体費など売却に直接かかった費用
税率(所有期間で変わる)
相続した土地の所有期間は、被相続人が取得した日から計算します。
| 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 5年以下(短期) | 30% | 9% | 39% |
| 5年超(長期) | 15% | 5% | 20% |
※復興特別所得税(2.1%分)が別途加算されます
活用できる主な特例
- 相続空き家の3,000万円特別控除(空き家特例):一定要件を満たす被相続人居住用家屋の敷地を売った場合、譲渡所得から3,000万円を控除できます(2027年末まで延長、2024年1月以降の譲渡から要件一部改正)
- 取得費加算の特例:相続税を納付した方が相続開始から3年10か月以内に売却する場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できます
どの特例が使えるかは個々の状況によります。必ず税理士に確認することをお勧めします。
ステップ5:売買契約・決済・引き渡し
買い手が決まったら売買契約を締結し、手付金を受領します。残金決済と同時に所有権移転登記を行い、引き渡しで完了です。
引き渡し前には土地の状態確認(廃棄物の有無・土壌汚染の可能性など)も求められることがあります。長年放置されていた土地や工場・ガソリンスタンド跡地などは特に注意が必要です。
相続した土地の売却、一人で抱え込まないでください
「登記・測量・税金・売却」と、相続した土地を売るには多くの専門家が関わります。それぞれに個別に連絡するのは大変ですし、抜け漏れのリスクもあります。
Bushizo相続相談室(品川広域センター) では、宅地建物取引士が窓口となり、司法書士・税理士・弁護士と連携したワンストップ対応を行っています。「売ること」を急かさず、まずお客様の状況を丁寧にヒアリングすることを大切にしています。品川・大田・港エリアを中心に、全国の相続不動産にも対応しています。
初回相談は無料です。「何から始めればいいかわからない」という段階からご相談いただけます。
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お電話: 050-5527-6414
よくある質問
Q1. 相続した土地は、相続登記が完了する前に売る契約を結んでもいいですか?
A. 売買契約自体は締結できますが、所有権移転(引き渡し)は相続登記完了後になります。一般的には「相続登記完了を停止条件とした契約」や「登記完了後に決済」という形で進めます。買い手・売り手双方の合意が前提となりますので、不動産会社と司法書士に相談しながら進めることをお勧めします。
Q2. 相続した土地の売却益に税金がかかるか、事前に調べる方法はありますか?
A. まず、被相続人が土地を取得した時期・金額(取得費)と、現在の売却想定価格を把握したうえで、税理士に試算してもらうのが確実です。取得費が不明な古い土地でも、概算取得費(売却価格の5%)で計算する方法があります。特例の適用可否も含め、売却前に一度税理士への相談をお勧めします。
Q3. 境界が確定していない土地でも売ることはできますか?
A. 「現況有姿・実測なし」という条件で売ることは可能なケースもあります。ただし、買い手が限られたり、価格交渉で不利になることが多いです。また、買い手が住宅ローンを利用する場合、金融機関が確定測量を求めることがあります。売却をスムーズに進めるためにも、境界確定は早めに対応するのが得策です。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務・不動産に関する判断は、司法書士・税理士・宅地建物取引士等の専門家にご相談ください。制度・税率は執筆時点の情報に基づいており、今後変更される場合があります。