売却・処分

再建築不可物件は売れない?相続したら知りたい出口戦略|Bushizo相続相談室

Bushizo相続相談室(宅地建物取引士)
再建築不可物件は売れない?相続したら知りたい出口戦略|Bushizo相続相談室

「再建築不可だから売れない」と諦めていませんか?

親や祖父母から相続した実家を調べてみたら、「再建築不可物件」だった——。そのとたんに「どうせ売れないだろう」「買い手なんていない」と頭を抱えてしまう方は少なくありません。

特に品川・大田・港エリアの城南地区では、戦後の区画整理が入り組んだ路地に面する古い木造住宅が今も多く残っています。こうした物件の相続相談は、私たちBushizo相続相談室にも日々寄せられます。

結論からお伝えします。再建築不可物件は、確かに制約はあるものの「売れない」わけではありません。 買い手の層・売り方・活用方法を正しく理解すれば、十分に出口は見つかります。この記事では、相続した再建築不可物件の特徴から売却・活用の選択肢まで、宅地建物取引士の視点で丁寧に解説します。


そもそも再建築不可物件とは?基礎知識を整理する

再建築不可物件とは、現在の建築基準法の規定を満たしておらず、建物を取り壊した後に新たな建物を建てられない土地・物件のことです。

なぜ「建て替えできない」のか

建築基準法では、建物を建てるためには原則として**幅員4m以上の道路に2m以上接していること(接道義務)**が求められます。しかし昭和25年(1950年)の建築基準法施行以前に建てられた建物の多くは、この基準を満たしていません。

主なケースは以下のとおりです。

ケース内容
接道なし道路に全く面していない(袋地・囲繞地)
接道幅不足道路には面しているが接道幅が2m未満
道路幅不足接している道路の幅員が4m未満(いわゆる「2項道路」以外)
旗竿地通路部分の幅が2m未満

これらの物件は、建物が現存している間はそのまま使い続けることができますが、一度取り壊すと同じ場所に建物を建てられなくなります。


相続と再建築不可物件——まず把握すべき2つの義務

相続した不動産を放置するリスクが、制度面でも高まっています。

① 相続登記の義務化(2024年4月施行)

2024年4月1日より、相続登記が義務化されました。相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請しなければならず、正当な理由なく怠った場合は10万円以下の過料の対象となります。

「売れないから放っておこう」という選択肢は、制度上もリスクが高まっています。再建築不可であっても、まず相続登記を済ませることが大前提です。

② 相続空き家の3,000万円特別控除(期限あり)

相続した家屋を売却する際、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります(空き家特例)。ただし適用要件や期限があり、一般的には相続開始から3年を経過した年の12月31日までが売却期限の目安とされています。詳細な要件は税理士への確認をお勧めします。


再建築不可物件の「売れる理由」と買い手の実態

再建築不可物件が売れない、と思われがちな最大の理由は「住宅ローンが組みにくい」点にあります。多くの金融機関では担保評価が低く、一般的な住宅ローンの審査が通りにくい傾向があります。

しかし、住宅ローンを使わない買い手は一定数存在します。

再建築不可物件の主な買い手層

買い手の属性購入目的・背景
不動産投資家・業者リフォームして賃貸運用。利回り重視のため安値でも旨みがある
隣地所有者隣接地と合筆して接道要件を満たし、再建築可能にする目的
現金購入できる個人ローン不要のため制約が少なく、安価な居住用として活用
DIY・リノベ好き層安く買ってリノベーションを楽しむ需要(特に都市部で増加傾向)

特に都市部では、「安い・広い・味がある」 物件としてリノベーション目的の購入者が一定の市場を形成しています。品川・大田エリアの下町情緒が残る路地裏物件はその傾向が顕著で、相談室でも実際に成約につながったケースがあります。

通常物件との価格差は?

再建築不可物件の市場価格は、一般的に同エリアの再建築可能物件の5〜7割程度になることが多いとされています。ただしエリア・築年数・隣地との関係性によって大きく変動しますので、必ず専門家による査定を受けることをお勧めします。


売却以外の選択肢——処分・活用の全体像

売ること以外にも、再建築不可物件の出口は複数あります。状況に合わせて検討しましょう。

選択肢の比較一覧

選択肢概要向いているケース
仲介売却不動産会社を通じて市場で売る状態が良く、需要のあるエリア
買取(業者直買)不動産業者が直接買い取る早期現金化、状態が悪い場合
賃貸・民泊活用リフォームして賃貸に出す立地が良く、収益見込みがある
隣地への売却隣地所有者に相談・交渉する隣地が接道不足を補える場合
土地のみ売却(建物解体後)解体して更地で売る建物の価値がほぼゼロの場合
寄付・自治体への譲渡自治体や公益法人へ譲渡全く需要がない場合の最終手段

隣地所有者への打診が有効なケース

もし隣地所有者が同様に接道不足で困っている場合、お互いの土地を合筆・統合することで再建築可能になるケースがあります。この場合、単なる再建築不可物件としての売却価格より高値がつく可能性があります。隣地との関係性を調べることは、非常に重要な第一歩です。


相続した再建築不可物件、まず何をすべきか

手順を整理すると、以下の流れが一般的です。

ステップ1:相続登記を行う(義務) まず司法書士に依頼し、3年以内に相続登記を完了させましょう。

ステップ2:現状の把握(測量・役所調査) 接道状況、建物の状態、隣地との境界などを確認します。役所の建築指導課での調査も有効です。

ステップ3:査定・専門家への相談 再建築不可物件の取り扱い実績がある不動産会社・宅建士に査定を依頼します。一般的な不動産会社では対応できないケースも多いため、専門性が重要です。

ステップ4:売却・活用方針の決定 税理士・司法書士とも連携しながら、譲渡所得税の試算も含めて最善の方針を選びましょう。


無料相談のご案内

再建築不可物件の相続は、不動産・法律・税務が複雑に絡み合うケースがほとんどです。「まず何をすべきか」「本当に売れないのか」という段階から、気軽にご相談ください。

Bushizo相続相談室(品川広域センター) では、宅地建物取引士が窓口となり、司法書士・税理士・弁護士と連携したワンストップ対応を行っています。売却を急かすことはなく、相談者の状況に合った選択肢を一緒に整理します。品川・大田・港エリアを中心に、全国の相続不動産に対応しています。

▶ 無料相談はこちら → お問い合わせフォーム お電話でのご相談:050-5527-6414(受付時間:平日9:00〜18:00)


よくある質問(FAQ)

Q1. 再建築不可物件でも住宅ローンは使えますか?

一般的には、通常の住宅ローン審査に通りにくいとされています。ただし、リフォームローンや一部のノンバンク系ローンが利用できるケースもあります。購入者側の資金調達手段が限られるため、買い手の層が絞られる点は理解しておく必要があります。具体的な条件は金融機関にご確認ください。

Q2. 再建築不可物件を相続放棄すれば問題ありませんか?

相続放棄は相続全体(プラスの財産もマイナスの財産も含めて)を放棄するものです。再建築不可の不動産だけを放棄することはできません。また、相続放棄後も管理義務が残るケースがあり(民法改正により明確化)、単純に「手放せる」とはなりません。司法書士や弁護士へのご相談をお勧めします。

Q3. 建物を解体して更地にしたほうが売れやすくなりますか?

ケースによります。更地にすると固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が増加する場合があります。また再建築不可の土地は更地にしても用途が限られるため、必ずしも売却価格が上がるわけではありません。解体前に専門家へ相談し、費用対効果を試算することを強くお勧めします。


免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的として作成しており、特定の税務・法務アドバイスを提供するものではありません。相続や不動産売却に関する個別の判断については、司法書士・税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。

相続不動産のご相談は無料です

売却を急かすことはありません。「まだ決めていない」段階からどうぞ。