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名義預金とは何か|税務調査で指摘される7つのポイント

Bushizo相続相談室(宅地建物取引士)
名義預金とは何か|税務調査で指摘される7つのポイント

「子どもの通帳に貯めてきたお金」は相続財産になる?

「子どもが生まれたときから毎年コツコツ積み立ててきた。通帳も子ども名義だし、当然子どもの財産だよね」——そう思っていた方が、相続税の申告後に税務調査で指摘を受け、追徴課税を求められるケースが後を絶ちません。

結論から言えば、名義が誰であれ「実質的な所有者が被相続人(亡くなった方)」と判断された預金は、相続財産として課税対象になります。 これが「名義預金」と呼ばれる問題です。

相続税の税務調査において、名義預金の認定は最も頻繁に指摘される論点のひとつです。知らずに申告を漏らしてしまうと、延滞税・過少申告加算税が加算される可能性があります。この記事では、名義預金とは何か、税務署がどのような視点でチェックするのかを、わかりやすく解説します。


名義預金とは何か——基本の定義

名義預金とは、口座の名義は配偶者・子・孫など他の人物になっているが、実質的には被相続人が管理・支配していた預金口座のことです。

民法・税法の世界では、「名義」よりも「実態」が重視されます。つまり、たとえ口座名義が「田中花子(孫)」であっても、以下のような実態があれば被相続人(祖父など)の財産とみなされます。

  • 被相続人が通帳・印鑑を管理していた
  • 孫本人がその口座の存在を知らない
  • 入出金が被相続人の意思で行われていた

名義預金は不正行為ではありませんが、申告漏れとして扱われると重加算税(最大40%)が課される可能性もあるため、事前の把握が非常に重要です。


税務署が名義預金を見抜く7つの判断ポイント

税務調査官は、以下の観点から「これは名義預金ではないか」と目星をつけます。相続税申告の前に、ご自身でも確認しておきましょう。

① 通帳・印鑑の管理者は誰か

最も重視されるポイントです。名義人(子・孫など)が自分で通帳を管理し、自由に使える状態でなければ、名義預金と認定されやすくなります。名義人が「そんな口座、知らなかった」という状況は典型的なケースです。

② 名義人に贈与の認識があるか

親や祖父母が子・孫名義の口座にお金を振り込んでいたとしても、名義人が贈与を受けたという認識を持っていなければ、贈与は成立していません。 贈与契約は「あげる」「もらう」という双方の合意が必要です(民法第549条)。

③ 贈与税の申告・納税はあるか

年間110万円を超える贈与を受けた場合、翌年3月15日までに贈与税の申告・納税が必要です。この申告がなされているかどうかは、税務署が確認できる重要な痕跡です。ただし、110万円以下であっても申告がないと「実態として贈与が完了していなかった」と判断されやすくなります。

④ 資金の原資はどこから来ているか

名義人(子・孫)自身に収入や資産形成の実績がない年齢・状況なのに、高額な残高がある場合、税務署は原資を調べます。被相続人の収入・資産から移された実態があれば、名義預金と認定されます。

⑤ 名義人が自由に使えるか

口座のお金を名義人が自由に引き出し・使用できる状態かどうかも確認されます。「いざとなったら自分(被相続人)が使う」という意識で管理していた場合、名義預金と見られます。

⑥ 届出印はだれのものか

金融機関の届出印が被相続人のものと共通(たとえば家族全員が同じはんこを使っている)場合、名義預金の疑いが強まります。名義人固有の印鑑が使われているかが一つのチェックポイントです。

⑦ 生前贈与加算の対象期間に注意(2024年改正)

2024年1月1日以降の贈与から、相続開始前の生前贈与加算期間が段階的に3年から7年へ延長されています。 2031年以降に亡くなった方の相続では、最長7年前までの贈与が相続財産に加算されます(延長された4年分は総額100万円まで控除あり)。

名義預金として認定された場合、そもそも贈与が成立していないとみなされるため、この加算ルールの対象外にはなりますが、実態として贈与を完了させていたかどうかが改めて問われます。


名義預金が認定された場合のペナルティ

ペナルティの種類概要
延滞税申告期限の翌日から納付日まで年利(時期により変動)が加算
過少申告加算税本来の税額との差額に対して原則10〜15%
重加算税仮装・隠蔽と判断された場合、差額に対して35〜40%

意図的に隠したわけでなくても、「知らなかった」では通りません。相続税申告は税務調査が入りやすい申告のひとつでもありますので、名義預金の洗い出しは申告前に必ず行ってください。


名義預金と認定されないための対策

名義預金のリスクを回避するには、贈与の実態をきちんと作ることが基本です。一般的に有効とされる対策を整理します。

贈与の実態を証拠として残す

  • 毎年、贈与契約書を作成する(署名・押印、日付の記載)
  • 名義人本人の口座に振り込む(被相続人の口座からの送金記録を残す)
  • 通帳・印鑑は名義人が自分で管理する
  • 名義人が実際に一部を使う(使用実績を作る)
  • 110万円を超える場合は贈与税を申告・納税する(あえて少額の税を払い、証拠を残す方法も)

「こよみの工夫」より「実態の確保」

毎年同じ金額・同じ時期の振り込みは「あらかじめ総額が決まっていた定期贈与」と認定されるリスクがあります。金額や時期を年によって変えるなどの配慮も、一般的には有効とされています。


相続発生後に名義預金が発覚したら

すでに相続が発生し、「これは名義預金だったかもしれない」と気づいた場合はどうすればよいでしょうか。

まず、申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)に間に合うかどうかを確認してください。 期限内であれば、名義預金として正確に申告し直すことが最善です。期限後に税務調査で指摘されるよりも、自主的な修正申告の方がペナルティは軽減されます。

品川・大田・港エリアでも、「親が子ども名義の口座を多数作っていた」「相続財産の全容が把握できない」というご相談が寄せられます。不動産の名義変更だけでなく、金融資産の整理も含めてワンストップで対応できる窓口への相談が、早期解決への近道です。


名義預金の問題は、税理士・司法書士・弁護士など複数の専門家が連携して対応することで、より正確な判断が可能になります。「うちの場合はどうなるの?」という方は、お気軽にご相談ください。

Bushizo相続相談室(品川広域センター)では、相続不動産の整理・売却に加え、税理士・司法書士と連携した相続財産の全体把握サポートを行っています。売却を急かさず、まず状況の整理からお手伝いします。

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よくある質問

Q1. 子ども名義の口座に毎年100万円ずつ積み立ててきました。名義預金になりますか?

A. 名義預金かどうかは金額だけでなく、贈与の実態があるかどうかで判断されます。子ども本人が口座の存在を知らない、通帳・印鑑を親が管理している、贈与契約書がないといった場合は名義預金と認定されるリスクがあります。贈与の実態を示す証拠(贈与契約書・振込記録・名義人本人の管理)を整えることが重要です。ケースによって判断が異なりますので、税理士への確認をお勧めします。

Q2. 亡くなった父が孫(未成年)名義で積み立てていた学資目的の口座があります。どう扱えばよいですか?

A. 未成年者名義の口座は、本人に贈与の認識がない・通帳を自分で管理できないという点から、名義預金と認定されやすい典型例です。ただし、親権者(法定代理人)が適切に管理し、贈与の実態が証明できれば認定を回避できるケースもあります。相続税申告前に税理士に相談し、申告に含めるかどうかを判断することをお勧めします。

Q3. 10年以上前から続けてきた贈与でも、遡って名義預金と認定されることがありますか?

A. はい、時効(国税は原則5年、悪質な場合は7年)の範囲で遡って課税される可能性があります。また、2024年からの生前贈与加算7年ルールは、贈与が有効に成立していた場合の話であり、名義預金と認定されれば「そもそも贈与が成立していなかった」として全額が相続財産に計上されるリスクがあります。早めに過去の贈与記録を整理し、専門家に状況を確認することをお勧めします。


本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務・法務判断を行うものではありません。具体的な相続税の申告や名義預金の取り扱いについては、税理士・弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。

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