相続税・税金

相続税の計算方法を事例で解説|速算表・シミュレーションつき

Bushizo相続相談室(宅地建物取引士)
相続税の計算方法を事例で解説|速算表・シミュレーションつき

「相続税って、いくらかかるのか見当もつかない」——そんな不安を抱えたまま、親が亡くなった後の手続きに追われている方は少なくありません。相続税は仕組みが複雑に見えますが、計算のステップを順番に追えば、大まかな金額は自分でも把握できます

この記事では、相続税の計算手順を具体的な事例・速算表つきで解説します。まず全体の流れを押さえ、ご自身の状況に当てはめてみてください。


相続税の計算、全体の流れ

相続税の計算は、大きく5つのステップで進みます。

  1. 遺産総額(課税価格の合計額)を算出する
  2. 基礎控除を差し引いて「課税遺産総額」を求める
  3. 法定相続分で仮に按分し、各自の「相続税の総額」を計算する
  4. 実際の相続割合に応じて税額を配分する
  5. 各種控除を適用し、最終的な納付税額を確定する

以下で、それぞれのステップを事例を交えながら確認していきましょう。


ステップ1|遺産総額(課税価格の合計額)を計算する

相続財産には、プラスの財産(現預金・不動産・有価証券・生命保険金など)とマイナスの財産(借入金・未払い費用など)があります。

課税価格の合計額は、次の式で求めます。

課税価格の合計額 = プラスの財産合計 + みなし相続財産 − 非課税財産 − 債務・葬式費用 + 生前贈与加算

生前贈与加算は2024年から「7年ルール」に変更

2024年1月1日以降の贈与から、相続開始前7年以内の贈与が相続税の課税対象に加算されるようになりました(従来は3年以内)。ただし段階的な移行措置があり、7年の加算が完全に適用されるのは2031年以降の相続から順次拡大します。生前に贈与を行っていた方は特に注意が必要です。


ステップ2|基礎控除を差し引く

相続税には、基礎控除が設けられており、遺産がこの額以下であれば相続税はかかりません。

基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)

法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円
5人6,000万円

課税遺産総額 = 課税価格の合計額 − 基礎控除額

課税遺産総額がゼロ以下になれば、相続税の申告・納付は不要です(一般的には)。


ステップ3|相続税の総額を計算する(速算表を活用)

課税遺産総額を法定相続分で仮に按分し、各相続人の取得金額に相続税率を掛けて合計したものが「相続税の総額」になります。

相続税の速算表

法定相続分に応じた取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

各自の取得金額に税率を掛けて控除額を差し引いた金額を合算したものが「相続税の総額」です。


具体的な事例でシミュレーション

【事例】相続人:配偶者と子ども2人(計3人)、遺産総額:8,000万円

① 課税遺産総額を求める

基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 3人)= 4,800万円

課税遺産総額 = 8,000万円 − 4,800万円 = 3,200万円

② 法定相続分で仮按分する

法定相続分は、配偶者1/2・子ども各1/4です。

相続人法定相続分仮取得金額
配偶者1/21,600万円
子A1/4800万円
子B1/4800万円

③ 各自の税額を計算し合計する

相続人仮取得金額税率控除額税額
配偶者1,600万円15%50万円190万円
子A800万円10%80万円
子B800万円10%80万円
合計350万円

相続税の総額:350万円

④ 実際の相続割合で按分→控除を適用

この350万円を実際の取得割合に応じて各相続人に配分します。配偶者には配偶者の税額軽減が適用されるため、法定相続分または1億6,000万円のいずれか大きい額までは相続税が課税されない場合があります(一般的には)。このケースでは配偶者の納付税額はゼロになる可能性が高いです。

ポイント: 実際の納付額は、配偶者控除・未成年者控除・障害者控除・小規模宅地等の特例など、各種控除の適用によって大きく変わります。シミュレーションはあくまで目安として捉えてください。


相続税の申告・納付期限と注意点

相続税の申告・納付期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。この期限を過ぎると延滞税・加算税が発生する場合があります。

また、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。不動産を相続した場合、相続を知った日から3年以内に登記申請を行う義務があります(正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象)。相続税の申告期限(10か月)と混同しやすいため、両方の期限をカレンダーで管理することをおすすめします。

品川・大田・港エリアでは、相続不動産に土地が含まれるケースが多く、小規模宅地等の特例(居住用は最大80%評価減)の適用可否が税額に大きく影響することがあります。不動産が含まれる相続では、特に専門家への確認が重要です。


自分でできる相続税シミュレーションの限界と専門家の役割

国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」や各種シミュレーションツールは、概算把握に役立ちます。ただし、以下の点は自己判断が難しいため注意が必要です。

  • 不動産の路線価・倍率方式による評価額の算定
  • 生命保険・退職金の非課税枠の適用
  • 小規模宅地等の特例の要件判定
  • 2024年からの生前贈与加算7年ルールの影響計算
  • 二次相続(配偶者が亡くなった際の相続)を含めたトータル税負担の最適化

これらは税理士・司法書士・弁護士など専門家の判断が欠かせない領域です。


「うちの場合、相続税はいくらになるの?」と気になったら、まずお気軽にご相談ください。

Bushizo相続相談室(品川広域センター)では、宅地建物取引士が窓口となり、税理士・司法書士・弁護士と連携したワンストップ対応で、相続不動産の評価から税務申告まで幅広くサポートします。売却を急かすことなく、お客様のペースでご相談いただけます。

📞 050-5527-6414(受付時間:平日10:00〜18:00) ✉️ 無料相談はこちら → お問い合わせフォーム


よくある質問

Q1. 相続税がかかるかどうか、自分で判断できますか?

A. 基礎控除(3,000万円 + 600万円×法定相続人数)を超えるかどうかが目安になります。ただし、生前贈与の加算・みなし相続財産(生命保険など)・各種控除の適用を正確に把握するには、専門家への確認をおすすめします。

Q2. 相続税の申告は誰が行うのですか?

A. 相続税の申告・納付は、相続税額が生じる各相続人がそれぞれ行うのが原則です(一般的には)。実務上は税理士に依頼するケースが多く、相続人全員の申告を一括して行うことが一般的です。

Q3. 不動産しかない場合、現金がなくて相続税を払えないときはどうすればいいですか?

A. 相続税は原則として現金一括納付ですが、一定の要件を満たせば**延納(分割払い)物納(不動産などで納付)**が認められる場合があります。また、相続した不動産を売却して納税資金を確保する方法もあります。ケースによって最適な対応が異なるため、早めに専門家へ相談することが重要です。


免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の税務・法務アドバイスを提供するものではありません。税率・控除額・制度の詳細は変更される場合があります。個別の相続税の計算・申告については、税理士など専門家にご確認ください。

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