固定資産税は誰が払う?相続した不動産の税金を徹底解説
「固定資産税、誰が払えばいいの?」相続後に直面するリアルな悩み
親が亡くなり、実家や土地を相続することになったとき、真っ先に頭を悩ませる方が多いのが「固定資産税をどうするか」という問題です。
「まだ名義変更していないけど、税金の請求は来てしまった」「兄弟で不動産を共有しているが、誰が払うべきかで揉めている」「故人宛ての納税通知書が届いたまま放置してしまっている」――このような状況は、品川・大田・港エリアの相談窓口にも毎月のように寄せられます。
**結論から言えば、相続した不動産の固定資産税は「相続人全員」に支払い義務が生じます。**ただし、誰がどう負担するかは、遺産分割や相続人間の話し合いによって変わってきます。この記事では、相続と固定資産税の関係を整理しながら、名義変更との関係や、2024年から義務化された相続登記との連動ポイントも合わせて解説します。
相続が発生したとき、固定資産税はどうなるか
固定資産税は「1月1日時点の所有者」に課税される
固定資産税は、毎年1月1日時点での不動産の「所有者」に対して課税される市区町村税です。つまり、1月1日時点でその不動産を名義上持っていた人(多くの場合は故人)に対して、その年の税額が決まります。
被相続人が1月2日以降に亡くなった場合でも、その年の固定資産税は故人名義で課税されたことになります。市区町村から「故人様宛て」の納税通知書が届くのはそのためです。
相続人は「連帯納付義務」を負う
相続が発生すると、相続人は被相続人の財産だけでなく、納税義務も引き継ぎます。固定資産税については、相続人全員が「連帯して」納付する義務を負うのが原則です(地方税法の規定による)。
つまり、遺産分割協議が終わっていなくても、相続登記が済んでいなくても、固定資産税の納付義務は相続開始と同時に相続人全員に発生します。「自分は相続放棄するかもしれないから払わなくていい」という判断は、相続放棄の申述が家庭裁判所に受理されるまでは通用しませんので注意が必要です。
相続人が複数いる場合、誰が払う?
遺産分割前は「法定相続分」に応じた負担が目安
遺産分割協議が完了していない段階では、法定相続分に応じて各相続人が費用を按分するのが一般的な考え方です。ただし、連帯納付義務があるため、市区町村としては「誰か一人が全額払えばよい」という扱いになります。
実務上は、実際に不動産を管理している相続人(例:実家に住み続けている長男など)が立替払いをし、後から他の相続人と精算するケースが多く見られます。
遺産分割後は「不動産を取得した相続人」が負担
遺産分割協議が成立し、特定の相続人がその不動産を取得することが決まった場合は、取得した相続人が固定資産税を負担するのが自然な流れです。ただし、分割成立前の未払い分については相続人間で精算が必要になることもあります。
| 状況 | 固定資産税の負担者 |
|---|---|
| 遺産分割前(共有状態) | 相続人全員(法定相続分が目安) |
| 遺産分割後(単独取得) | 不動産を取得した相続人 |
| 相続放棄した相続人 | 原則不要(放棄申述受理後) |
| 相続人が1名のみ | その相続人 |
固定資産税の名義変更はどうする?
「固定資産税の名義変更」と「相続登記」は別物
よくある混同として、「固定資産税の名義を変えること」と「相続登記(不動産の所有権移転登記)」は別の手続きです。
- 固定資産税の名義変更:市区町村の税務課に「相続人代表者指定届」などを提出する手続き。登記とは独立して行える。
- 相続登記:法務局(登記所)で行う所有権移転の登記手続き。司法書士が代行することが多い。
固定資産税の通知を相続人宛てに届けてもらうためだけであれば、市区町村の窓口に「現所有者申告書」や「相続人代表者指定届」を提出することで対応できる自治体がほとんどです。必要書類や手続き名称は自治体によって異なるため、品川区・大田区・港区それぞれの窓口に確認するとよいでしょう。
2024年4月からの相続登記義務化に注意
2024年4月1日より、相続登記が法律上の義務となりました。相続によって不動産を取得した相続人は、取得を知った日から3年以内に相続登記を行わなければなりません。
正当な理由なく登記を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。固定資産税の名義変更だけで済ませ、相続登記を後回しにしているケースは非常に多いのですが、今後はそのまま放置することにリスクが伴います。
| 手続き | 窓口 | 期限(目安) | 費用(目安) |
|---|---|---|---|
| 固定資産税の代表者指定 | 市区町村税務課 | なるべく早めに | 無料 |
| 相続登記(所有権移転) | 法務局 | 相続知った日から3年以内 | 登録免許税+司法書士報酬 |
| 相続税申告 | 税務署 | 相続開始から10か月以内 | 税理士報酬 |
※登録免許税は固定資産税評価額の0.4%が一般的です(2026年7月時点)。報酬額はケースにより異なります。
固定資産税を払い続けることのリスクと注意点
売却や活用の前提として登記が必要
固定資産税を払っていれば管理しているつもりになりがちですが、登記名義が故人のままでは不動産の売却や担保提供ができません。特に品川・城南エリアは地価が高く、将来的な売却や建て替えを検討する場合には、早めの相続登記が不可欠です。
空き家のまま放置すると税負担が増える可能性
「特定空家等」に認定されると、固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1の軽減)が適用されなくなり、固定資産税が大幅に上がる可能性があります。相続した空き家をそのまま放置することは、税務上も管理上も大きなリスクです。
相続放棄しても管理義務が残る場合がある
2023年の民法改正により、相続放棄をした場合でも、その不動産の「現実の管理をしていた相続人」は、相続財産清算人が選任されるまでの間、管理継続義務を負うことが明確化されました。固定資産税の支払いとは別に、管理コストが発生する点も念頭に置いてください。
相続した不動産の固定資産税、まずは専門家に相談を
固定資産税の支払いは待ったなしですが、その後の名義変更・登記・売却・活用の判断は、焦らず状況を整理してから進めることが大切です。
Bushizo相続相談室(品川広域センター)では、宅地建物取引士が相続不動産に関する第一次相談を無料でお受けしています。固定資産税の対応方法から、相続登記・売却・空き家活用まで、司法書士・税理士・弁護士と連携したワンストップ体制でご支援します。「売却を急かされた」というご不満はよくお聞きしますが、当相談室はあなたのペースで最善策を考えることを信条としています。
品川・大田・港エリアはもちろん、全国の相続不動産についてもご相談いただけます。
📞 無料相談はこちら → お問い合わせフォーム / 050-5527-6414
よくある質問(FAQ)
Q1. 相続登記が終わっていなくても固定資産税の請求は来ますか?
はい、来ます。固定資産税は登記名義とは独立して課税されるため、登記が故人名義のままでも、市区町村から相続人に対して納税の請求が届きます。市区町村の窓口に「現所有者申告書」を提出することで、相続人名義での通知に切り替えることができる場合が多いです。
Q2. 兄弟3人で不動産を相続しました。固定資産税は3分の1ずつ払えばいいですか?
法定相続分(または遺産分割で取り決めた持分)に応じた按分が目安ですが、連帯納付義務があるため、市区町村に対してはどなたが全額払っても構いません。実務上は一人がまとめて払い、後から精算するケースが多いです。誰が負担するかは相続人間でしっかり話し合っておくことをおすすめします。
Q3. 相続した不動産を売却する予定ですが、それまでの固定資産税はどうなりますか?
売却が完了するまでの間は、相続人(所有者)が固定資産税を納付する必要があります。売却の際には、引渡し日を基準に買主との間で日割り精算するのが一般的です。また、相続した不動産を売却する場合、相続税の申告期限(10か月以内)から3年以内であれば「相続税額の取得費加算の特例」が使える場合があります。税理士への確認をおすすめします。
免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的として作成しており、特定の税務・法務判断を行うものではありません。固定資産税の取り扱いや相続手続きの詳細は、ケースによって異なります。個別の事情については、税理士・司法書士・弁護士などの専門家にご相談ください。