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事実婚(内縁)の相続|認められない理由と対策を宅建士が解説

Bushizo相続相談室(宅地建物取引士)
事実婚(内縁)の相続|認められない理由と対策を宅建士が解説

「長年一緒に暮らしてきたのに、籍を入れていないだけで何も相続できないの?」

そんな不安を抱えて検索された方は多いのではないでしょうか。事実婚(内縁関係)のパートナーを持つ方にとって、相続の問題は非常に深刻です。

結論から言うと、事実婚のパートナーには法定相続権がありません。 しかし、事前に適切な対策を講じることで、パートナーへ財産を遺す道は複数あります。この記事では、事実婚と相続の基礎知識から具体的な対策まで、宅地建物取引士の視点も交えながら解説します。


事実婚のパートナーは「相続人」になれない

日本の民法では、相続権を持つ「法定相続人」の範囲は**婚姻届を提出した法律上の配偶者と血族(子・親・兄弟姉妹など)**に限られています。

どれほど長く同居し、生活を共にしていても、婚姻届がない限り事実婚のパートナーは法定相続人にはなれません。これは法律の明確なルールであり、例外はありません。

法定相続人の範囲と相続順位

順位相続人備考
配偶者常に相続人婚姻届が必要。事実婚パートナーは対象外
第1順位子(直系卑属)養子も含む
第2順位親・祖父母(直系尊属)子がいない場合
第3順位兄弟姉妹上位の相続人がいない場合

事実婚のパートナーが亡くなった場合、法律上の相続人がいれば財産はその人たちへ。法律上の相続人が誰もいない場合でも、パートナーが自動的に財産を受け取れるわけではなく、最終的には国庫に帰属することになります(ただし後述の「特別縁故者」制度の例外あり)。


事実婚パートナーが財産を受け取るための4つの対策

法律の壁があるとはいえ、生前に手を打てば財産を遺す方法はあります。代表的な4つを解説します。

1. 遺言書の作成(最も重要)

事実婚パートナーへの財産承継で最も確実かつ重要な手段が遺言書です。遺言書があれば、法定相続人ではない相手にも「遺贈(いぞう)」という形で財産を渡せます。

ただし注意点があります。法定相続人がいる場合、その相続人には「遺留分(いりゅうぶん)」という最低限の相続権が保障されています。遺言ですべての財産をパートナーに遺したとしても、法定相続人から遺留分侵害額請求をされる可能性があります。

遺言書には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。

種類メリットデメリット
自筆証書遺言費用がかからない、手軽に作れる形式不備で無効になるリスクがある
公正証書遺言法的効力が高く、紛失・偽造リスクが低い公証人手数料がかかる(財産額による)

不動産を遺贈する場合は、登記手続きが必要になります。2024年4月から相続登記が義務化されたことで、不動産の名義変更は取得を知った日から3年以内に行わなければなりません(遺贈の場合も同様です)。

2. 生前贈与

亡くなる前に財産をパートナーへ贈与する方法です。贈与税の基礎控除(年間110万円)の範囲内で毎年少しずつ贈与するなど、計画的に行うことが重要です。

ただし、2024年1月からの税制改正により、相続開始前の生前贈与加算期間が3年から7年に延長されています。相続税の計算上、亡くなる7年前までの贈与が相続財産に加算されるルールとなっているため(段階的な移行措置あり)、事実婚のパートナーへの贈与は相続税との関係では有利な面もありますが(パートナーは相続人でないため加算対象外の場合が多い)、贈与税自体は課税されます。詳細は税理士への確認が必要です。

3. 生命保険の受取人指定

生命保険の死亡保険金は、受取人として指定された人が直接受け取ることができ、遺産分割の対象にはなりません。事実婚のパートナーを受取人に指定しておけば、相続手続きとは別に、まとまった資金を遺すことができます。

保険会社によっては内縁関係のパートナーを受取人に指定できる場合があるため、加入している保険会社に確認してみましょう。

4. 特別縁故者として財産分与を申し立てる

法定相続人が誰もいない(または全員が相続放棄した)場合に限り、家庭裁判所に「特別縁故者に対する財産分与」を申し立てることができます。内縁のパートナーはこの「特別縁故者」に認められる可能性があります。

ただし、この手続きは相続財産清算人が選任されてから3ヶ月の申立期間内に行う必要があり、認められるかどうかは裁判所の判断次第です。確実な方法ではないため、メインの対策とするのは難しいでしょう。


事実婚と不動産相続:とくに注意が必要なケース

不動産が絡む場合は、より慎重な対応が求められます。

共同で購入・居住している不動産がある場合

事実婚のパートナーと共有名義で不動産を購入している場合、自分の持分については遺言で相手に遺贈することが可能です。ただし、前述の遺留分の問題が生じることがあります。

また、パートナーが亡くなった後に法定相続人が現れると、その相続人が不動産の共有持分を取得するケースがあります。そうなると、事実婚パートナーは共有者として残るものの、不動産の利用・処分に制限が出る場合があります。

住んでいる家が相手名義の場合

パートナーが亡くなった際、住んでいる家が相手名義だった場合、法定相続人がいればその家は相続人のものになります。事実婚のパートナーは法律上の保護がなく、退去を求められる可能性があります。

配偶者居住権(法律婚の配偶者のみ対象)は事実婚には適用されません。この点は、特に長年連れ添った方にとって非常に深刻なリスクです。

品川・大田・港エリアのように地価の高いエリアでは、不動産の扱いが相続全体に大きく影響します。居住する自宅の扱いについては、早めに専門家と相談しておくことを強くお勧めします。


対策の比較:費用・確実性・手間

対策費用の目安確実性手間
公正証書遺言数万〜十数万円程度(財産額による)高いやや高い
自筆証書遺言ほぼ無料(法務局保管は手数料あり)中程度低い
生前贈与贈与税・登録免許税等高い中程度
生命保険の活用保険料高い(保険会社の審査次第)低い
特別縁故者の申立て弁護士費用等低い高い

事実婚の相続対策は「早めの行動」が鍵

事実婚の相続対策において最大の敵は「先送り」です。遺言書を書こうと思っていたのに間に合わなかった、というケースは決して珍しくありません。

対策の方針は個々の状況(財産の種類・法定相続人の有無・パートナーとの関係性など)によって大きく異なります。一般的な情報だけでは判断が難しいため、早い段階で専門家に相談することが重要です。

Bushizo相続相談室(品川広域センター)では、事実婚・内縁関係にまつわる相続の悩みについても、税理士・司法書士・弁護士と連携したワンストップで無料相談を承っています。売却を急かすことなく、お客様の状況に合わせた最善策をご一緒に考えます。

👉 無料相談はこちら → お問い合わせフォーム / ☎ 050-5527-6414


よくある質問(Q&A)

Q1. 事実婚のパートナーが亡くなった後でも、財産を受け取る方法はありますか?

A. 法定相続人が誰もいない場合、「特別縁故者に対する財産分与」の申立てをすることで、家庭裁判所が認めれば財産の一部または全部を受け取れる可能性があります。ただし手続きに期限があり、認められる保証もありません。生前の対策を取れなかった場合は、早急に弁護士に相談することをお勧めします。

Q2. 遺言書で不動産を事実婚パートナーに遺贈する場合、相続税はかかりますか?

A. 遺贈を受けた場合でも相続税の課税対象になることがあります。ただし、法律上の配偶者に認められる「配偶者控除(配偶者の税額軽減)」は事実婚パートナーには適用されません。また、法定相続人以外への遺贈の場合、相続税額に2割加算される規定があります。詳細は税理士へご確認ください。

Q3. 婚姻届を出さずに内縁関係を証明する書類はありますか?

A. 住民票で「未届の夫(妻)」と記載してもらうことで、内縁関係を公的に証明しやすくなります。また、公正証書による任意後見契約や財産管理委任契約を結んでおくことで、生前の財産管理についても法的な裏付けを作ることができます。ただし相続権そのものは生じない点にご注意ください。


本記事は一般的な情報提供を目的として作成されており、個別の法的・税務的アドバイスを行うものではありません。具体的な対応については、司法書士・税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。

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